抗体の使い方や有用性は、赤痢アメーバの病型ごとに、異なります
私たちが、赤痢アメーバ (学術名 Entamoeba histolytica) に感染すると、以下の4つの病型が、引き起こされます
1.無症候性持続感染 (感染者の9割)
2.腸炎 (下痢とか血便、感染者の1割弱)
3.肝膿瘍 (熱が続き、画像検査で見つかる、感染者の数パーセント)
4.劇症型アメーバ赤痢 (大腸に穴が開き、内容物が腹腔内に出てしまい、汎発性腹膜炎を起こし、治療が遅れると死に至る、感染者の1%未満)
上が軽症で、下に行くほど、重症です、同一の微生物ですが、多彩な症状を呈するのですね
大腸の起始部 (回盲部) に感染した後、その状態が続くと『1.無症候性持続感染』、病巣が水平方向に進展して大腸の末端 (S状結腸や直腸) まで拡大すれば『2.腸炎』、病巣が垂直方向に進展し、粘膜下組織の血管から門脈血管を介して肝臓に到達すれば『3.肝膿瘍』、垂直方向の進展が大腸の漿膜を破って腹腔内に穿通すると『4.劇症型アメーバ赤痢』になると考えられています
次回以降は、4つの病型に分けて、血清抗体の使い方を考察していきます
早く、詳しいことが知りたい人は、赤痢アメーバ・リファレンスの「概略」をご覧くださいね
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